デルフィニウム グランブルー

もうすぐ6月が終わってしまう
言葉にして記そうか 心にしまっておこうか 
ずっと心に引っかかっていたことを
やはり残します

*

実は5月に
ある方を送る会の会場のお花を担当させて貰いました

送る会 
彼女の卒業パーティーを行ないたいと
ご主人から連絡をいただきました

*

奥さまとは知人の結婚式で一度お会いしていて
その時の司会をされていたのがご主人
会場の花をさせていただいていたのが私
という関係です

結婚式で地元野菜と草花での会場演出を気に入っていただけたようで、送る会で是非にということでした

*

派手な花を好まないので
ご主人のその言葉をヒントに清子さんのことを
思い浮かべてみました

そう青
それも くすみのない 綺麗な青
5月から6月に咲く
デルフィニウム

太い枝ではなく草花
とても高貴で華やかなな佇まいの花
ぴったりイメージ通りでした

*

会は清子さんの手帳や年賀状のやりとりから
親しい方へご主人が連絡をとり
全国各地にお友達がいらっしゃるので
中間地点の広島で行われることになりました


教職を離れた後の住まいに島根の吉賀町を選ばれ
住まれて9年目の記念の日に送る会は決まりました


私たち家族も
主人の転勤で今の益田市に住むことになって9年目

同じ時期に移住して
こうして出会えたことにご縁を感じました




送る会は
清子さんとゆかりのある方とのエピソードや
生前 どんなふうに活動されていたかわかるように
ご友人の手によって文集にまとめられていました



スケッチが大好きだった清子さんの絵は
会場に展示され

その中にも植物を描かれたスケッチがいくつかあって
目をひきました





会場はご主人がこだわって
清子さんらしい送る会にしたい
ということで


食を大事にされていた清子さんの好みに合う
地元で自家栽培されたものや
オーガニックな材料でつくられた


草の庭さんや
くくるさん
によるケータリングの優しいごはんが
振舞われました


私が担当させてもらったテーブルの花は
ベースだけ作って
最後の仕上げはご家族の方にお手伝いいただきました

*

送る会の司会をするmくんが作った
むらさき色のフリルレタスと
さやえんどう
地元農家さんからいただいた
ラディッシュを楽しそうに

清子さんの息子さんやお嫁さん 姪っ子さんが
素敵に飾りつけてくださり
こんな感じに  可愛いらしくなりました



清子さんが亡くなられたとき
最後まで仲間とのイベントに間に合わそうと
胸の痛みをがまんして届けものをされたそうです


母とかわらない67才の早すぎる出来事

清子さんの住む地域は医療環境が厳しいこともあって
助からなかったと伺いました


生前 教育者だった清子さんは
自分にもしものことがあった時

自分が貯金をしたお金を葬式代にして

残ったお金の3分の1を日本のこども達に
3分の1をモンゴルのこども達に
3分の1をその他の国のこども達に寄付してほしい
と残されていました


ご自身には息子さんがふたりいて
こどもの頃に一緒にモンゴルへ渡り
遊牧民の生活を共に経験されたこともあって
遊牧民のこども達への奨学金援助の運動にも参加されていたことは
翌日いただいた文集を読み終えてから知りました


文集の表紙には
清子さんが描かれたモンゴルの家のスケッチが

*

ふと思いたって調べてみた
デルフィニウムの花
グランブルー

品種は改良されて色んな種類はあるけれど
グランブルーの原種が自生している場所に
モンゴルと記されているのをみて
息をのみました

清子さんは大好きなモンゴルの草原にいるんだ

ご主人さまにそれを伝えると
お礼を言われてから
それが聞けて良かったとおっしゃいました


花言葉は

清明
清子さんの名前が入っていました

もうひとつの花言葉は
ブルーの花は花嫁さんが身につけると幸せになるという由来から

貴方は幸福を運ぶ
でした

清子さんにぴったりな花言葉を
人前で話すことは苦手ですが
頑張って伝えるべきと思い

送る会の終わりに
集まられたみなさんへお伝えしました

会の終わりには
清子さんの写真の周りに飾られた
デルフィニウムの草むらをバックに
写真撮影が行われていました

お花をご縁に運んできてくれてた
素敵なみなさんと一緒に過ごした時間は
かけがえのないものでした

あの日から私の何かが変わった気がします

清子さん ありがとう

ご主人さまも私にこんな大役を任せてくださり
ありがとうございました

繋いでくれたAちゃん
そしてAちゃんの結婚式のお花を
私に相談してくれたIさん
ありがとう

お役に立てることがある以上
お花に関わって生きていきたいと
思いました

それが生かされている私の役目だと
清子さんから学んだ気がしました


最後まで読んでくださり
ありがとうございました。